現地Staffの声

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現地スタッフからのレポートです。

生徒と共に学び、成長していきたい

自動車整備教官  久 由美

私は高校生の時、自動車整備士になることを夢みて、自動車工業の短大に進み、整備士の資格を取って、日本で18年近く整備士として働いてきましたが、数年前、乳がんが発覚し手術を受け、死と直面して、今まで自分のために、自分のやりたいことをしてきた人生でしたが、今後は生きている間に今までの自分の経験や知識をもっと人のために活かし、時間を使うべきではないだろうか。そんなことを考えて過ごしていた時、テレビ番組で独立してまだ10年の東ティモールのことを知りました。
まだ近い過去にインドネシアに占領され、多くの人が殺されて現在の平均年齢が17歳の国。今でも東ティモールでは整備士の学校が無く、教えてくれる人もいない中、皆、自動車のことを知らずに整備をしているということを知り、多くのトレーニングを受けてきた私は、生まれた国が違うというだけでこんなにも環境が違うことにショックを受けました。今まで自分が教わってきたことをどうしてもこの国の人たちにも伝えたくて、東ティモールにやって来ました。

私のクラスの生徒は19歳から31歳で、皆、素直で熱心でとてもかわいいです。朝から夕方まで授業をしていますが、多くの生徒はあまりお昼ご飯をたべません。
“お昼ご飯食べないの?”と聞くと、“午後の授業中に眠くなって授業が頭に入らなくなるといけないから食べない”と言いますが、本当はお昼ご飯を買うお金がないのです。時々お弁当を買って教室で食べる生徒もいますが、私が教室で午後の準備をしていると、必ず生徒は笑顔で“先生も食べる?”と言って私に声をかけてくれます。50セント(40円くらい)のわずかなご飯を惜しげもなく分けてくれようとする生徒達の優しさに心を打たれます。ほとんどの生徒は車を持つどころか車の免許さえ取るお金がありません。もしかすると一生、車を買うことができないかもしれない。それでも整備士になりたい、勉強して自分の未来を変えたいと一生懸命勉強しています。
自動車のしくみはとても複雑なので、車を運転したこともない人がしくみを理解するのはとても大変なことだと思いますが、生徒達は毎日、頭を悩ませながら考えています。理解ができないと元気がなくなりますが、理解できると笑顔で“わかった!”と言ってとたんに元気になります。そんな笑顔を見るたびにこの国にきてよかったー!と感じます。そして、どうしたら生徒達に理解してもらえる授業にできるか私も毎日生徒達と一緒に頭を悩ませています。この国に来て、今まで日本では考えなかったことをいろいろと考えさせられます。贅沢な食事が出来る事、教育を受けられること、教えてくれる人がたくさんいるのが当たり前の日本、私はこの国に来て、そのありがたさを教えられました。生徒たちに明るい未来が来るように、今自分にできることを精一杯し、そして生徒と共に学び、成長していきたいと思っています。

2012年7月5日