JDRACの実績

東ティモール大型自動車整備士および建設機械整備士・オペレーター養成事業(外務省)

鉄道を有しない東ティモールにおいては、道路交通が唯一の国内移動・輸送手段となっていますが、急峻な地形と雨季の大量の雨、土砂崩れで被害を受けやすい為、これらの道路網の整備を支援したく立ち上げた3年計画事業が完成しました。

 

東ティモール大型自動車整備士および建設機械整備士・オペレーター養成事業(1年次)

2020年3月1日~2021年7月31日

20名の研修生を対象に、建設機械を運ぶ輸送車やダンプトラックなどの大型車両の整備研修を実施した。事業開始後に、世界的な新型コロナウィルスの感染拡大が始まり、約4カ月にわたって日本人派遣員は帰国し、事業を中断せざるをえなかった。事業再開後5ヶ月間は、大型車両の維持管理について学科や研修を行い、90%近い参加率となった。その後、感染拡大により対面での研修ができなくなったため、オンライン配信での研修に切り替えて無事に研修を完了することができた。

 

東ティモール大型自動車整備士および建設機械整備士・オペレーター養成事業(2年次)

2021年8月16日~2022年7月15日

新型コロナウィルスの変異株が猛威を振るう中での2年次事業開始となった。

対面授業が難しく、日本人専門家が派遣できなかったため、事業前半の2022年1月までは、東ティモール国立大学工学部およびディリ工科大学講師9名と連携した研修に変更し、油圧、エンジン、電気基礎など6分野において学科を中心に研修を実施した。研修生たちの知識レベルや苦手分野について知見を有する講師たちが現地公用語を用いて行った講義は分かりやすいと好評で、研修生たちの基礎知識レベル向上へと繋がった。

2022年2月からは大手建設機械メーカーのOBである日本人教官2人が現地に到着し、約3か月間、整備基礎に関する座学と実習を行った。研修生たちの中では、研修開始当初「まだ動いているから故障ではない」「壊れたら修理すればいい」という考え方が主流であったが、研修を通して点検・整備に対する知識を習得し、研修生自身が日常点検や整備の重要性を実感することで「日常の整備や点検が、不具合や故障を予防できる」という、基本的だが非常に重要な考え方が浸透していった。

 

東ティモール大型自動車整備士および建設機械整備士・オペレーター養成事業(3年次)

2022年8月24日~2023年6月23日                     

建設機械運転操作教育、整備修理・部品管理教育、現場巡回研修を柱に、整備士やオペレーター候補者の20名職員へ学科と実習を実施した。

約半年間の運転操作訓練の結果、現場で応用操作までできる運転技術レベルに到達した。整備修理教育では、事業で購入した油圧回路や電気回路の故障診断機の使用方法を習得したことで、これまで外注せざるを得なかった故障事案についても自分たちで対応できる力が身についたほか、部品管理教育を通して、これまで倉庫内に乱雑に置かれていた修理整備用部品が、種類ごとに分類・配置されたことで、倉庫内が『見える化』され、作業効率の改善が見られた。

現場巡回研修では、日本人教官がIGEADIのサービスチームと工具など持参して、全国の地方現場で稼働・あるいは停止している機械20台を点検・修理しながら、直接指導を行った。巡回後は、首都で部品選定し、研修生が現場に持ち帰って修理交換作業を行った結果、正常に再稼働できる機械が4割から6割へ増加した成果を上げた。

 


1年次_コロナ感染拡大によりオンライン配信で対応した                                                 


 1年次_大型自動車の研修の様子


2年次_国立大学工学部と連携してコロナ禍での研修を乗り切った


2年次_日本人教官によるオイル交換について指導


3年次_教官と生徒たち                  


3年次_現場巡回研修に大村徹也大使が視察に来て下さった